yusucasting

ORDO Records 代表 & Dhingana Radio Station 放送作家 yusucaster のブログ

「内向き志向」批判は「内向き志向」志向?

昨日の夜こんな事を呟きました。

「内向き思考」とマスコミが報道する事に関しての批判はどうでも良くて、大事なのは、グローバル化が進んでく中で、思考停止なまま「受験->日本の大学->就職」っていう流れを進む学生を育てるシステムがまだあるって事じゃないかな。
自分が高校生の頃、大学はアメリカに行きたいって少し思ったのに、教師に反対された。公立の進学校だった事もあって、高校的には日本の上位高校に多数を送り出してます、っていうデータが欲しかったんだと思う。 留学の資料1つも置いてないし、相談出来る先生も誰もいなかった。
後輩や妹や従兄弟の高校にも、「留学」という選択肢をサポートする環境はほとんど無い。人格形成がされる18までに、海外に行くという選択肢が少なかったら、「内向き思考」なんて当たり前だと思う。無宗教の人に、なんで宗教に入ってないんだ?っていうのと同じレベルな気がする。
確かにマスコミの視聴率至上主義に関しては自分も反対だけど、「内向き思考報道」に関しては少し別で、 批判する方は「ジャーナリズム」の視点として批判するなら別だけど、「内向き思考 」に関しての批判は、「内向き思考」思考という矛盾な気がしてしょうがない。
 

今、日本人留学生に関連したプロジェクトを進めていて留学生のデータに触れる機会が多くなっていき、この事を感じるようになりました。

 

テレビや新聞などで報じられる「内向き志向な若者が多い」という情報、そしてインターネット上での、そのデータの読み違いに関する批判。

真実としては確かに、データの読み違いがあると思います。

 

海外という選択肢がアメリカ以外にも広がったので分散したのと、少子化による留学適齢人口が減少している。

マスコミはこの2つを視野に入れないで報じているという意見。

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図3 アメリカ一辺倒から各国に分散しただけのこと

 理由はいくつか考えられるだろう。

 まず、英語圏でも昨今、留学生の獲得競争が激しくなっていること。たとえば、イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどのもう当たり前の「アメリカの競合」のみならず、マルタ共和国やインド・スリランカなどの新興勢力も、この争いで台頭しはじめている。

 二つ目には、日本が文化的・経済的に成熟度が高まったことがあげられる。アメリカで先進技術や学問をキャッチアップすることが主目的の中国や韓国とは異なり、日本ではヨーロッパやアジア各国で、多様な文化を学ぶ人が多くなった。産業界主導もしくは就職や研究のため、といった留学ではなくなってきた結果、アメリカ一辺倒から世界への分散が起きた、ということなのだろう。

 

そもそも、留学適齢人口が激減している。

 それでも、2004年以降の微減が気にはなる。しかし、これも説明できる要因がある。それは、図表④に示す留学適齢人口(18~29歳)の減少なのだ。



図4 この人口、1997年より減少を続けている。それでも、2004年まではヨーロッパやアジアなど新たな相手国への留学生増加で、全体増を維持してきたが、最近では各地域への留学生増加も一巡し、基礎人口の減少をカバーしきれず、微減傾向となっている、と読めるだろう。


 ちなみに、留学適例人口当たりの留学生数は、直近2009年現在でも0.4%と過去最高を更新し続けている。つまり、人口当たりの留学生は増え続けているのだ。

---------from http://www.r-agent.co.jp/kyujin/knowhow/tatsujin/20101118.html--------

しかし、このデータを示すことが、tweetでも書いたように、何を目的にしているかがわからない。

「内向き志向」批判は、結局、「現在は「内向き志向」な世界ではないから安心して」という

「内向き志向」志向という矛盾を産んでいるんじゃないか、と思いました。

留学生のデータを調べていても、このマスコミデータ批判ばかりで、「留学生が増加してる、そして?」の意見が無い。

 

そして自分が感じるように、「内向き志向」は確かに存在する。

自分の卒業した高校、そして自分の周りの人の意見がそうであるように、僕たちグローバルネイティブ世代(http://blog.goo.ne.jp/mit_sloan/e/2207d4d322e917c741c5fad11c9abdb6)に対応した教育システムが成り立っていない。

他のアジアの国は確実に日本より、グローバルネイティブ世代に対応した教育システムを創り始めている。

 

目的の無いマスコミ批判をしてる場合ではなく、

このシステムをどう変えていくか、を真剣に考えなくてはならないんじゃないかと思います。