「2つのハートのメッセージj」 DMB#18
Dhingana Mail バックナンバーシリーズ (DMB)
2013.2.3 Dhingana Mail #18
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ども、Dhingana Radio局放送作家のyusucasterです。
今回より加わります「休日これ見て~」のコーナーです!
月に一回、おすすめの映画・漫画の紹介をしたと思います。
「2つのハートのメッセージと雰囲気」
先日、ネカフェで配信中の、
ハートアタッカーというハートロッカーのパロディという超B級映画をみました。
これが予想以上に面白く、そしてハートロッカーと異なるいい要素をもった映画!
このロッカー&アタッカーは2個セットでみるべきだと思ったのでシェアします。
春休みの映画はこれできまり!
ハートロッカーとは、2010年にアバターを抑え、アカデミー賞作品賞に輝いた映画。
イラク駐留のアメリカ軍の爆発物処理班の日常を描いた物語です。
それをパロったハートアタッカーは、 2005年にイラクで起きた「ハディサの悲劇」:イラク駐留のアメリカ軍兵士が行ったイラク人虐殺に焦点を当て、同じく兵士の日常を描いた映画です。
同じテーマを基に創られた作品の中で(しかも片方はパロディで)、
ここまで「メッセージ」と「空気感」の重点の置き方が異なる2組は初めてでした。
見て、比較することで映画をより楽しむことができる2作品です。
ハートロッカー
「戦闘での高い高揚感は時に激しい中毒となる」という有名ジャーナリストのクリスヘッジズの言葉からの始まり。
爆弾処理班たちの日常に起こる事件を基に物語は進んでいきます。
まず驚かされるのは、圧倒的な緊張感。
BGMをほとんど使わず、
静寂と爆発のコントラストが見てるこっちを一気に映画の中へ引き込みます。
そして、映画の中に出てくる敵として描かれるイラク人はほとんど喋らず、心境などが全く読めません。 アカギが南郷との勝負の戦略で用いた「相手に心を読ませず、不気味さを匂わす」表現。
加えて、 カメラワークも、「何者かの視点」でも結局その誰かは全くでてこないという定点を使い、「不気味さ」の演出をしています。
終盤では、家庭での退屈さ、戦場から離れられない兵士達の姿を描き、最初のクリスヘッジの言葉に帰結するという作品です。
作品として素晴らしかったです。2008年のノーカントリーの「空気感レベル」に次ぐ、いい作品でした。
ハートアタッカー
ハートロッカーとは対照的に、アメリカ人兵士、イスラム過激派、イラク人市民、メディア、それぞれの視点からそれぞれの正義が描かれています。
主役のアメリカ人兵士の可愛がってた弟分が爆弾で死に、それに怒った彼は誰彼かまわずイラク人を殺しまくる。残された市民はアメリカ人を恨む。 この殺しの行為を悔やみ不眠症になり続ける中、メディアの報道するアメリカ人死者1名、イラク人15名。
そして殺しを行った兵士は軍曹になったという否定な記事。そして告げられる殺人罪。 憎しみの連鎖、そして事件を取り巻く人々の正義が描かれた映画でした。
完全なネタバレですが、「それぞれの語る正義」がこの映画の1番の面白さです。 見た後にこのメッセージについて考える時間を含めると8時間以上の作品です。(実質90分ですが)
空気感とメッセージ、それぞれに重点を置いた映画のセット。
就活で忙しい方が多いと思いますが、
この比較の学びは自己発見より得るものが大きいと思うので
是非時間を創って見てみてください!
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