yusucasting

ORDO Records 代表 & Dhingana Radio Station 放送作家 yusucaster のブログ

「苦役列車」DMB#29

Dhingana Mail バックナンバーシリーズ (DMB)

2013.4.14  Dhingana Mail #29

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月に一度の「ネッカフェ バリスタ!」

ネットカフェでおすすめの映画・漫画のガイドを、

バリスタがおすすめのコーヒーを淹れるかのように紹介していきます。

 

今回紹介する映画はこちら!

 

「苦役列車」

あらすじ書くのめんどくさいんでYahoo映画レビューからコピペします笑

”貧しい肉体労働青年の青春を描いて第144回芥川賞を受賞した西村賢太の小説を、

マイ・バック・ページ』などの山下敦弘監督が映画化。

1980年代後半を背景に、19歳の日雇い労働者で、

酒におぼれる主人公を中心に、その友人、主人公があこがれる女性の青春模様を描く。”

 

芥川賞を受賞した賞の記者会見で

「そろそろ風俗いこうと思ってます」発言で一躍有名となった

西村賢太さんの私小説原作の映画。

 

===

人間が作る、時代ごとの「人間」のイメージがあって、

それに沿って創られた人間の皮をかぶった多くの人たちが生活する日常。

 

その中に、主人公「かんた」という、

これもまた別の意味で

「環境が生んだ」時代に沿った皮を被らなかった人間が描く人間の物語

 

その「かんた」の人生が作る

メッセージも、世界観も何も持たない、嘘のない純粋な世界

 

===

 

そんなことを感じた映画でした。

自分は先に映画を見て凄く感動したんですが、

原作と西村さんの生き方を見ると、どうもこの映画は上に書いた

「人間の皮を被った」監督の意識が強いらしく、

エンディングに出てくるはずのない若者の希望みたいなのがあり、

それの嫌らしさを感じました。

 

キャスティングは凄いよかったです。

どっかマジキチの要素をオリジナルでもってる森山未來

そしてヒロインとして出てくる、清楚の皮を被る前田のあっちゃん!

この対照的な2人の掛け合いは、

自分が感じた映画の世界に完璧にマッチするものでした。

 

そして原作世界にいそうな、

オリジナルで人間の皮を被ろうとしないマキタスポーツもよかったです。

西村さん側の世界にいる一人の個としては、外せないキャスト。

 

んでエンディングテーマ、ドレスコーズの「TRASH」

”I'm TRASH 打ち抜いてくれコルトガバメント

コルトガバメントよ、俺を気持ちよく殺してくれ。俺はゴミだ。

 

この詞がエレキにかき回されながら繰り返されます。

ごみくずのような自分に嫌気がさす、

でも「自分が嫌い、ゴミかすだ」っていうことでどっか気持ちよくなってる感覚。

 

最後の、また自分を貶めるサビ前に一言だけ、本音みたいのが入ります。

”好きにやれ ロマンチスト”

 

世界の、地理とかそういう線引きの仕方じゃない、

ある一角の中に存在する、おそらくどれだけグローバル化とかみたいなのが進んでも、

自分は属せないだろう世界。

 

そして多くの人がそこに関わろうとはしない世界。

 

そこの小さな、臭くて汚い世界からの「嘘のない叫び」は、

どっか、自分も属してる普通の、

皮を被って生きることが文化となってるこっちの世界にも響いたような気がしました。

 

是非ネットカフェでご覧ください!

 

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