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ORDO Records 代表 & Dhingana Radio Station 放送作家 yusucaster のブログ

音楽配信時代のプロモーション

これまでCDがメインだった時代では、どうやって「お金を払ってもらうか」が一番のメインだった。アルバムなら約3000円するもの、それに対してお客さんの「知る」➡「「買う」の流れを創る方法=プロモーションだった。

この「➡」の部分は、人によるのと、コンテンツの内容というおそらくかなり芸術よりの専門的な知識が必要だと思うので話を省く。

まず「知る」に至っては、CD全盛期の時代はコンテンツの量と、人が得る情報量が現在に比べてかなり少なかったためお金をかければそれなりの反応は得られた。テレビ・ラジオのCMから雑誌広告、店頭プロモーション、ライブ販売など、なんらかの形でプロモーションをかければ知ってもらえることのハードルは現在に比べて低かったように思える。

そして「買う」の部分では、3000円分の満足を与えられるか。曲内容はもちろん、ジャケットなどのデザイン、映像特典やステッカー、ライブ招待券・応募券などなど様々な工夫がされていた。これらも一種のプロモーションに入ると考えているが、この「知る」➡「買う」が従来の方法だと思う。

 

配信サービスでの方法は全く違う。まだ自分も模索中で色々試している段階だが、一番必要なのは、どれだけ人の「空いてる時間にアクセスできるか」だと考える。

まずこの情報量が溢れかえってる時代に、「知る」ということがどれだけハードルの高い事か。そして従来の音楽に加え、DTMなど色々な音楽のコンテンツも増えている。

これまでのラジオや雑誌などに加え、ウェブを中心とした様々なプロモーションを行う必要がある。内容の詳細についてはEPのリリースが上手くいったら話す。

仮にこの「知る」の部分が成功すると、7割プロモーションが上手くいったと言ってよい。なぜなら上記の「買う」の部分が存在しないからだ。無料、もしくは月額いくらかで聞き放題の配信サービスの時代に、人は1つ1つの音楽に対して「買う」という感覚を持たない。この部分のハードルはお金の面では0なのだ。

その反面、時間の対価が必要となる。これまでCDでは「3000円の対価」を用意してきた。現在では「4分の対価」を用意する必要がある。その曲を聞く時間の価値はあるかどうか、それが全てとなる。なので発想を大きく変える必要がある。

例えば、凄く雑な話になるが、CDの時代では、お金のある人達に買ってもらうのが一番だろう。その人はもしかしたらコレクション用に2枚買ってくれるかもしれない。

しかし現在ではお金持ちは必要ない。むしろ「時間持ち」に聞かす必要があるのだ。お金はあるが忙しい人よりも、暇な高校生が知ったらアルバムを一気に5回通しで聞いてくれるかもしれない。

 

なので、現在のプロモーションで重要なのは「時間あるやつ探す」➡「知る」の流れが、一番効果的であると考えて実践している。